30代アスペルガー症候群当事者の自分でできるおすすめ心理療法レシピ集

アスペルガー症候群のライターが書くブログ(ASD/自閉スペクトラム症/発達障害)/30代男性 ・大うつ病/適応障害を複数回克服。ノウハウ的な情報発信はこちらで。https://oinari.work/

アスペルガー症候群の長所について(前編)

長所探しで苦しんでいた自分

僕は、自己肯定のノウハウを自分で作り出すまで
ずっと発達障害関連の本を読みながら、長所のことについて考えていました。

アスペルガー特有の長所を見つけることでメリットや強みを見つける」
という考えに囚われていたのです。

しかし、多くの人は教育や環境によって長所が変わってきます。

なので、30代くらいになってくると、教育などの別の要因で
更に見つけるのが難しくなっていました。

30代もしくは30代以降でアスペルガー症候群と診断された人の最大の強みはなんだろう?

そう思った時、診断時に、自己分析が医学的にちゃんとできているということです。
脳の特性を理解できている人は、一般的にはあんまりいません。
しかし、発達障害と診断された人は、IQなどで心理検査などで
明確にわかっているのです。

と思ったのですが、すぐにそれを強みだとは思えませんでした。

というのも、「ASD/ADHDの人の中で、何が強みか?」
ということばかり考えていたからです。

日本の教育だと、長所よりも短所に目を向ける癖が非常に強いため
短所に目を向けがちです。

なので、短所のことに目を向けて落ち込むよりも
短所を潰すことを私は考えました。

その結果、自己肯定のノウハウが生まれました。

能力や時間、お金を考えると、短所をなくすことは非常に難しいのですが、短所に思考が言ってしまう癖は、かなり改善しました。




大事なのは長所の「探し方」


また自己肯定のノウハウを得てから

アスペルガー症候群関連の本を探しているとき、何に着目しているか?」
ずっと考えていると

「有名人や著名人だけでなく、No.1の人を見た時」とか「世界レベルで戦えるグローバルな視点」で長所を探していたことに気づいたのです。

「流石にグローバル視点で長所を見つけるのは無謀だろう・・・」
と思うようになりました。

短所を見つけるのは、自分との関わりやテストの成績なのに、長所を見つける時は、グローバルな視点で見ている矛盾に気づいたのです。

ASDの場合、68人に1人の割合でいるといわれているので
世界人口が68億人だと、1億人

・・つまり日本人の人口ぐらいになってしまいます。ASDの長所探しは
実は、「海外の人と比べて、日本人の長所はどう言ったものか?」
と言った非常に抽象的な議論だったのです。

この時、ASDの長所探しは、見つかるものから、ほぼ見つからないもの
と思うようになりました。同時に、ASDの中にあるアスペルガー症候群も同様だと
思うようになりました。

ASDの長所探しを「日本人の長所探し」と置き換えて例えると

世界的視点を持って、日本人だらけの環境の中で、日本人としての長所が、周りにいる日本人平均より上でなければならない。それが、長所だ

というかなり見つけにくいもので、海外に出ないと真の長所を活かせない
レベルだと思ったのです。

日本をASD、世界を定型発達と例えると

「定型発達の視点を持って、ASDだらけの環境の中で、ASDとしての長所が、周りにいるASD平均より上でなければならない。それが長所だ。」

という意味だと理解しました。

こんなのわかるのは、「定型発達」で30代男性専門のアスペルガーのカウンセリングやっている人くらい。そもそも精神科医でも、ASDの人がいるくらいですから、そう考えると日本で専門の定型発達のカウンセラーがいるのかってレベルだと思います。

現実は残酷なことに、発達障害の人が定型発達の視点を持つのもかなり厳しいですし、30代で普通に社会で仕事をしているASDは、定型発達だらけの環境の中で働いていて、周りがASDだらけの環境になるには、転職が必要です。

なので、長所探しすら転職を伴う「かなり難しいもの」となり、長所が見つかるかどうかわからない旅に出ることになるのです。

これらの気づきから、僕は、長所探しをするときの「範囲や視点」が間違っていたことに気づきました。周りを「定型発達」や「ASD」ではなく、例えば視点を「老人」とか「〇〇初心者」にすれば、いいじゃないかと。

そうすれば、何かしらの長所は見えてくるのです。世の中の長所探し本では、結論から、「視点を「老人」とか「〇〇初心者」にすれば、何かしらの長所は見えてきますよ」って言っています。

しかし、「範囲や視点」が間違っていることをまず、自覚しないと、なかなか受け入れられない話だし、過程がないとわからない話だと思いました。

ということで、アスペルガー症候群の長所探しは、仕事をする対象を変えた方がはるかに早そうだという話でした。

なお、アスペルガー症候群の長所については、こちらのリンク先にある小冊子(PDF)に載せてあります。興味のある方はぜひご覧ください。

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それでは、また。